緊急搬送、目まぐるしく変わる事態
39時間の陣痛後の分娩停止、
総合病院に搬送、緊急帝王切開での高齢ハイリスク出産
そんな出産だった私の出産体験談
その③です。
いざ搬送。その裏で・・・
「救急搬送の手続きをするので少々お待ち下さい。」
と院長先生が告げ、
これは思った以上に大事になってしまったと驚く私。
とは言え、5分毎にやってくる陣痛に動けるわけがなく、
「陣痛剤を使うとかなり体力を使うので休んでいってくださいね。」と私はLDRに運ばれ、救急車が来るまで待機。
転院のための準備は夫と実母にお任せしました。
「あぁ~、ここの病院のお祝いディナー楽しみにしてたのになぁ」と今思えばかなりのんきなことを思いながら、陣痛逃し。
45分後の午前10時半に救急車に乗り、車で10分で総合病院に到着しました。
これは後で夫から聞いた話なのですが…
ちょうどこの日は祝日。
搬送先の近くの総合病院が出産中で連絡がつかず、代わりの病院を院長先生が探してくださっており・・・
近くの総合病院からの折り返しの電話があと10分遅かったら、車で40分、隣の市の病院へ搬送ということになっていたそう!!
なんて、タイミング!
手配してくださった病院、引き受けてくださった総合病院に本当に感謝です。
予想外の総合病院での診察結果
総合病院の産婦人科に到着し、数々の機器で物々しい雰囲気での分娩室。
その中で待っていたのは後の私の主治医となってくださる女性の先生。やさしい声だけど、凛とした雰囲気を持った方でした。
テキパキと看護婦さんに指示を出しながら、今の私の状態を診察。
「エコーを当ててみると、羊水が少なくなっているね。今まで指摘されたことある?」
と聞かれ、びっくり!!
主治医の先生の診察の結果は・・・
- 破水は「高位破水」で、今来ている陣痛は「微弱陣痛」。
- 高位破水で羊水はあまり減っていないはずだが、羊水の量が少なくなっている。
そのため、赤ちゃんが動けず、何らかの処置をしないとお産は進まない。 - 陣痛促進剤を使って進めてみるが、最悪の場合は手術を考えて。
予想もしていない事態になっていて、頭の中が真っ白に。
「出てこようとしても出てこれず、お腹の中の赤ちゃんに苦しい思いをさせてしまった」とただただ胸が痛んで。
「陣痛促進剤を打つ前に諸検査をしましょう」と
先生は隣のお産の人の様子を見るために一旦離れ、看護師さんとバトンタッチ。
レントゲンの検査のため、横の体勢をとった時
…ただならぬ警告音が鳴り響きました。
突然の警告音、決断の時
ピー!ピーピー!!
私もただならぬ気配に緊張が走り、周りにいた看護師さんは騒然!!
「赤ちゃんの心音が下がっている!酸素を!!」
酸素マスクをつけ、元の仰向けの体勢に。
するとすぐ警告音は鳴り止みました。私も看護師さんたちも安堵の表情。
「そのまま休んでいてくださいね。」と先生を呼びに行ってくださいました。
私は突然の事態に心臓が止まりそうに。
「10か月一緒にいたのに…どうか無事でいて。」と祈るばかり。
すぐに先生が駆けつけてくださって、赤ちゃんが無事ということを確認。
そして、こう告げました。
「あなたと赤ちゃんが元気なうちに帝王切開を!
今、無理に促進剤でお産を進めると
あなたも赤ちゃんも危険な状態になる可能性がある。
高齢出産で持病がありながらも本当にがんばった。
ここは私達に任せて。」
腹をくくり、「はい」と返事をしました。
すると・・・
「カイザー!すぐに準備を!!」
主治医の先生の言葉を合図にあわただしく準備がはじまりました。
このタイミング、この決断が最良だった。
それがわかるのは後日のことでした。